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―第70回小川町総会準備ニュースNo7―
  

シンポジウムT・U・Vの内容が決定。
           今回はTとUを紹介します。


・巡検申込みの期日が迫っています。 7月8日です。
・総会の事前申込みは済みましたか? 7月31日締切です。
・ポスターセッションの申込みを7月8日まで延期します。
 

シンポT
  テーマ:「地域にねざした科学運動 ―創造活動の成果を市民へ―」
 8月20日(土)9:00〜11:30

 ここ数年、毎年のように災害の発生が続いている。市民の方たちの、「災害」、「地学」に関する興味・関心は、あいかわらず高い状態にあるといえる。そんな時期だからこそ、地団研がすすめてきた「市民とともに」、「創造活動の成果を市民に普及していく」という活動が、その重要性をより増している。地団研会員がすすめてきた実践を集め、それを報告していただき、そこから、またわれわれが、今後の活動にかんして学んでいくことは、意義あることといえる。
 今回のシンポジウムを、そのような機会の一つととらえ、今後も、地団研が「国民のための科学」をすすめることを確認する場としたい。
 あわせて、地団研のすすめる普及活動に、市民の方が集まってくるのはなぜか。また、地団研の活動が、数十年にわたって継続しているのはなぜか、といったことについても、報告していただき、議論をすすめたい。

(1) 埼玉支部・日曜地学ハイキング 50年の歩み  小幡喜一(埼玉支部)

(2) 参加者からみた日曜地学ハイキング       松岡喜久次(埼玉支部)

(3) 北海道支部の地学ハイキングについて(仮)   森野祐助(北海道支部)

(4) 埼玉支部の災害調査の実践(仮)         平社定夫・久津間文隆(埼玉支部)

(5) 地震に強い街づくりへの取り組みとその普及
                          小坂共栄(松本支部)・信州大学震動調査グループ

(6) 罹災地の人たちとつくった「忘れまい3.12」
    ―2011年長野県北部地震調査団の普及書出版―

                             飯川健勝・長野県北部地震調査団(新潟支部)

(7)総合討論


シンポU
 テーマ:「福島第一原発事故による低線量汚染の実態と、
            原発団研による汚染水問題への取り組み」

 8月20日(土)13:15〜15:15

 本シンポは原発関係がテーマである。一昨年の九州総会および昨年の糸魚川総会でシンポが開催され、小川町総会に引き継がれた。福島第一原発事故は5年経過した現在でも汚染水問題や放射能汚染問題など山積している。事故の真の原因が未解明なまま、川内原発の再稼働が行われ、その他の原発でも再稼働が計画されている。地団研がどのように原発問題に取り組んでいくのかということがますます重要な課題になっている。
 プレシンポが5月28に開催され、4本の報告と1本の招待講演が行われた。その結果にもとづいて、世話人会として本シンポに向けて2つの柱をすえた。一つは関東をはじめとした低線量汚染の実態である。関東地方では福島県と隣接する茨城県をはじめとして多くの都府県が、福島第一原発事故で拡散された放射性物質により汚染された。プレシンポにおいては、埼玉県と群馬県の地表調査による汚染の実態、汚染をもたらした気象、地形的要素、さらに事故後の汚染の経年変化などが報告された。さらには低線量汚染地域から捕獲されたシカの組織別放射能測定の結果が報告された。事故後数年経過し、報道等での扱いは極端に減少してきているが、事態が収束し解決したわけではないことが報告された。これらの報告を受けて、各地で市民レベル、自治体レベル、研究者レベルで行われている活動および放射能汚染実態いついて議論されることを期待している。
 もう一つの柱が原発団研の活動とその成果および課題についてである。九州総会後に福島支部を中心に原発団研が組織され、活発な活動を続けている。おもに汚染水問題に対する調査研究課題に対して多角的な視点から取り組んでいる。ボーリング資料の詳細な検討、原発周辺地域の野外調査をもとに地質環境と汚染水との関連性を明らかにすることなど、発足以来多くの成果をあげてきた。汚染水問題は日々の報道にもあるように、凍土壁の建設等を行っても解決の見通しが立っていないのが現状である。原発団研による詳細な調査や綿密な資料検討が、汚染水問題に対して科学的で基礎的な資料を提供していると考えている。原発団研の現状、課題、展望を本シンポにおいて議論し、地団研の原発問題に対する今後の活動の視点も論議したいと考えている。


シンポV-講演 『地震予測の最新の状況』

     Dong R. Choi(国際地震火山予測センター)
8月21日(日) 13:15〜14:15

 2012年にアメリカオーランドで国際地震火山予測センター(IEVPC)が創設されて以来、地震予測科学は急速な進展をとげてきている。IEVPCは地震予測学者にとって世界の中枢機関となってきている。IEVPCは相乗的、多変数的アプローチを取っている。それらのアプローチは破壊的地震(M7.0+)の予測に関して入手できる限りのすべての情報を採用している。広い領域にわたる考え方と、多数の前兆指標は地震予測において有用であることがわかってきた。

1.中長期的予測手段(数か月〜10年単位)
  • Claude Blotのエネルギー移送法則。深くて(300km+)強い(M7.0)地震エネルギーは3〜5年後には地球の浅所に再出現する。この法則は1976年以来ほとんど失敗することはなかった。
  • ・VE過程(角田 )。数年から10年単位。地震と火山噴火を引き起こすマントルと地殻におけるエネルギーの流れ。
2.短中期的予測手段(数か月〜数時間)
  • VLF.電磁波の伝達異常(Hayakawa )。最も信頼性の高い短期的前兆の一つである。
  • ジェット気流異常(Wu)。中強度の地震の殆どは地震の起こる前(本震の一週間から140日前)にジェット気流異常を伴って起こっている。高精度だがマグニチュードの決定についてはまだ正確ではない。
  • ガスと蒸気(Pulinets, Cesped )。大気中のガス含有量、湿気、熱異常。他の指標と結びつく時に信頼性がある。地震の数ヶ月から数日前に現れる。
  • outgoing longwave radiationの放出(OLR, Venkatanathan )。海水表面温度(SST)、地表温度、地下水、化学的異常、その他。OLRはしばしば非常に効果的である(数日前)。
  • 動物と人間の行動、コミニケーションシステムの障害(Bapat)。数日から数時間前。
3.太陽と惑星の力。
  • 太陽の影響‐coronal mass ejection. その他。太陽周期(NASA, Casey
  • 惑星間の磁場(Straser
  • 惑星間の配列(Geryl
  • 潮汐力、太陽‐月‐地球間の相互作用(KolvankerGiovanni )地震予測は、地震発生メカニズムの理解と深部地質構造と地震発生メカニズムの関係との理解が深まることによって進展するだろう。すべての前兆現象は地質学的視点において評価されるべきである。IEVPCは地震予知における高い成功率を享受しているところである。

(訳:佐藤和平、斜体 は人名)

【Dong R. Choi博士の略歴】
 北上山地の層序とフズリナ研究 (1963-1972) で北海道大学から学位授与。鉱物資源の開発に従事するかたわら、1996 年に国際ニュース誌「New Concepts in Global Tectonics (NCGT)」を発行する。 1998 年には、NCGTつくば国際シンポジウムを故藤田至則氏や故鈴木尉元氏などと共に主催して成功させた。その後も「NGCT」に力を注がれ、現在は、各月のアクセス数が6万から14万に達する電子版国際情報誌「NCGT JOURNAL」に育てあげた。その編集長を兼ねて、欧米の地質、天文、地球物理、海洋学の著名な方々と絶えず情報交換をされている。ご自身も論文を次々に発表され、次世代の地球科学の発展に貢献されている。また、こうした経歴から、アメリカの NASAで太陽研究をされた Casey, J 氏などとともに、国際的な火山・地震・気象などの予知情報グループのリーダーも務められている。このような実績に裏打ちされた地球科学の最前線における情報を数多くお持ちである。現在オーストラリア在住。


会員向け普及講演
  『ユネスコの無形文化遺産「細川紙」と小川和紙 ―手漉き和紙の魅力とその歴史―』  
         新田文子氏(小川町立図書館長)
8月19日(金) 16:00〜17:00

 地団研の第58回川越総会が開催されたのは『小川町の自然・地質編』を刊行した直後でした。町民と専門家の調査員との中間的な立場から、新しい形での地質編刊行取り組んだ8年間を報告しました。「小川町は地質の博物館」と工夫をこらした地質編は、市町村史の刊行では異例の初版完売となり、総会後に増刷しています。
 そして今回の地団研第70回記念大会が「和紙のふるさと小川町」で開催されることを心より歓迎し、町民の皆さんとともに協力をさせていただきます。
 さて8月19日全国から会員の皆様を迎えて、気軽にお聞きいただく講演会の開催を予定しております。
 1300年の歴史を有する小川和紙のなかで最高品質をほこる細川紙が、ユネスコの無形文化遺産に登録され世界に認められました。和紙を生んだのは山と川そして風土です。のどかな槻川(つきかわ)の清流によって命が吹き込まれた小川和紙も、激動の歴史を歩み今日に至っております。
 和紙の魅力とあわせてお話しします。和紙のふるさと小川町でお待ちしています。


夜間小集会にお集まり下さい
 8月19日(金)18:30〜20:30

★「教師グループ」

 ここ数年、活発な活動を続けている埼玉の高校地学教員の活動について、また、全国的な地学の開講状況、教員の採用状況、次の新しい教育過程の進捗状況などについて、報告および新しい情報をお話しいただく予定です。

1)「埼玉の地学研究委員会の活動について(仮)」  富樫民樹さん(埼玉・浦和工業高校)

2)「最近の地学(理科)教育をめぐる情勢について(仮)」 宮嶋 敏さん(埼玉・熊谷高校)

 その後、各支部からの報告をお願いします。各支部の教師グループから出席をお願いいたします。
 (終了後は懇親会も予定しています)

★「応用地質研究会」

 恒例の応用地質研究会を以下のように開催します。 昨年から今年にかけて発生した豪雨災害や地震災害に焦点をあてて、講演をお願いする予定です。 ぜひお集まりください。

★「学生向けワークショップ」 ―小川町の岩石にチャレンジ―

内容:偏光顕微鏡を使って、チョット難しい小川町の岩石を観察します。
   そのためのスタンダードな岩石で鑑定の基礎を学びます。
   一人一台の偏光顕微鏡を準備しテレビモニターで解説します。
試料:中生代砂岩 ペルム紀石英閃緑岩 ホルンフェル ス メランジュ中の岩石
  *必要に応じて、スタ ンダードな火成岩・堆積岩・変成岩を使用
対象:学生(偏光顕微鏡使用の初心者歓迎)
*事前申込みが必要です。詳しくは学生向け企画をご覧下さい。
  


ポスターセッション申込み延長について
 申込締切 7月8日  要旨締切  7月20日    展示期間 8月20日(土)〜21日(日)
 発表者名(所属支部等)・発表タイトル・連絡先(住所・電話番号・メールアドレス)を明記の上、
 ポスターセッション係 正田浩司まで
  メールの場合 k.shoda@jcom.home.ne.jp
  郵送の場合 359-1131所沢市久米1234 県立所沢高校気付


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