10月21日に標記の地学ハイキングが行われました。このコースは昨年、雨のため中止となったコースです。昨年とは打って変わって、秋晴れのもと41名の参加がありました。案内者兼パンフレット作成者は千代田厚史会員と東松山市化石調査会の原田吉樹さんです(原田さんは都合があり、当日の案内はできませんでした)。
高坂駅からバスで物見山へ。東松山市の地形を俯瞰し、河川が丘陵を浸食していく様子を観察しました。その後、岩殿観音・正法寺へ向かいました。そこでは泥岩層中に挟まる3層ある傾斜した凝灰岩層を離れて観察しました。物見山駐車場へ移動し、約200万年前の飯能礫層に相当する物見山礫層を観察しました。礫層を構成する礫の中でも、ふだん河原では見ないすぐに割れてしまう「くさり礫」を面白く感じたのではないでしょうか。
市民の森の中を歩き、尾根道へ進みました。200万年前の礫層と1,200万年前の将軍沢層(岩殿層)の不整合を観察しました。すぐそばに、ちょっと見つけにくいのですが、凝灰岩中のめずらしい火山豆石の観察・採取を行いました。今回は寄りませんでしたが、近くには地球観測センター(無料)もあります。
昼食後、神戸台地を下りたところにある湧水「弘法の願い水」を見て、つぎのポイントへ向かいました。途中の葛袋神社の北側は、かつて化石採取のメッカだったところですが、今は貯水池に変わってしまいました。その頃の所有者である秩父鉄道は、愛好家の採取に対して理解があったそうで、禁止することなく採取できたそうです。そのすぐ側にある最後の見学地「東松山市化石と自然の体験館」に寄りました。そこでは葛袋より移したサメの歯などが含まれる神戸層の岩屑の体験コーナーを見学しました。見ていると、化石を発見した歓声が聞こえてきて、結構な確率で見つけることができることに驚きました。また風化退色した外層と未風化の内部の様子から「まんじゅう石」と呼ばれる緑色凝灰岩の礫があり勾玉や管玉に利用されているとういことでした。体験館は千代田会員も運営に携わっているそうです。
見学後、段丘面をアップダウンする「まなびのみち」(葛袋~高坂駅の廃線跡)を歩き、終点の高坂駅で解散となりました。今回は高校生も数人参加してくれました。地学部の顧問の先生に勧められての参加だということです。
{久保田郁夫 羽生第一高校}(参加者 41名)
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岩殿観音
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東松山市化石と自然の体験館前
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東松山市化石と自然の体験館前
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