地学団体研究会埼玉支部 日曜地学ハイキングの記録 第171回〜第180回(1983年9月〜1984年8月) |
第171回 足利市 名草巨石群とホルンフェルス
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この日の天気は雨のち曇。足利・名草の巡検は、参加者は、係・案内者をのぞくと4名、テーマのためか、日程、場所、時間のためか、天気のためか、係はどう分析しているのかな。 {田阪登史}(参加者 10名) |
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小鹿野町河原沢の二子山山腹に分布する,白亜系山中地溝帯の化石を求めて沢を歩きました。
{小幡喜一}(参加者 13名) |
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比企丘陵に分布する埼玉のグリーンタフを観察しました。 (参加者 60名) |
秩父市大野原の蓼沼と築瀬で化石採集を行いました。蓼沼はサメの歯化石やカメの化石が,築瀬はパレオパラドキシアの全身骨格化石が発見されているところです。 {小幡喜一}(参加者 66名) |
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大雪のため中止 |
(参加者 29名) |
西武秩父駅から荒川をこえて対岸の長尾根(尾田蒔丘陵)に登り,河岸段丘の地形を歩いて体感しました。 {小幡喜一}(参加者 33名) |
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(参加者 60名) |
(参加者 31名) |
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地学ハイキングの案内が新聞にのる、わが家は電話対応におおわらわです。「参加資格があるのでしょうか?」「タガネって何ですか?」「僕の家は小田急線のそばです。どうやって行ったらいいですか?」「素人でも化石がとれますか?」「○○先生の地学の課題で・・・」etc、etc。
6月より朝日の首都圏版にのせて頂いたとこともあり、県外の参加者がふえてきています。連絡ハガキも165ヶ所に出すようになりました。 8月19日10時20分快晴、第180回日曜地学ハイキング「秩父盆地のおいたちを探る」の集合です。小さな皆野駅はパンク寸前です。名簿、パンフ、アンケート用紙、参加費、会員5名は目をまわしそうです。あっという間に120部のパンフがなくなりました。保険屋さんに電話をしていると、ざわつきがすっと消えました。「皆野は秩父盆地の・・・」本間会員が説明を始めています。 駅前から大移動が開始されました。そして荒川への急な下り坂になると動きが止まってしまいました。立ちすくんで泣き出す女の子、スカート・サンダルで来てしまい、こんなはずではなかったとまごつくお母さんもいます。足場を確保したり、手をひいたりして全員おりるまでに30分もかかりました。狭い川岸では後ろの川に落ちないように気をつけながら人の肩ごしの観察でした。有律互層、底痕、断層破砕帯(出牛―黒谷線)、結晶片岩とみてゆくと、もう12時になっていました。 河原の木陰でそれぞれのお弁当を開きます。この時、自己紹介をして頂きました。「化石をとってみたい」という小学生、部活の仲間でやってきた高校生、マイクを子供におしつけるお母さん、そして5時起きで鎌倉からやって来た熟年夫婦、見慣れた顔もたくさんあります。 1時、出発です。藪をくぐり、炎天下の砂の上、岩の上を歩いて、約1km三峰センターホテルに着きます。バテた人もいるので、ホテルの入り口をおかりして、水もいただきました。ジュースの売り上げにも一役かったようでした。もう2時になりそうです。予定では「前原の不整合から大淵へ」となっていますが、急坂への恐怖心や疲れがみえるので、前原を見ない班と見る班に分けました。前原では初めての実物の不整合に「感激」といったお父さんもいました。 最終見学地の大淵の河原は日陰はまったくありません。頭がポーとしてきそうです。しかし、子供もお母さんたちも化石採集に夢中です。貸し出したハンマー、タガネも役だっています。「これは何ですか?」「キララ貝だよ」このV字型の模様が特徴です。「これは?」「ソデ貝のなかまでしょう」「このへんはホタテ貝がとれるよ」「むこうはキリガイダマシがあるよ」。飯塚晶子さんがめずらしい化石をみつけました。『皆さん、シャコの化石(後にオオグソクムシであることが判明)が発見されました』・・・「発見祝いにお寿司屋さんに行ったらどうですか。同じものが食べられるよ」「アンケートを出してお帰りください。次回は・・・」化石採集を続けている者もいるので、今回は自由解散としました。 アンケートやおたよりを見ると、大半の方が「おもしろかった」と書いています。自然に魅せられたといった感じでしょう。そんな経験の手助けができ、まずは、普及の第一歩は成功。しかし、「説明が聞き取れない」「パンフ・説明がむずかしい」「帰り道がわからなくて困った」といったものもあります。できることなら、案内者を多くし10人くらいの班に分かれ肉声でやりとりができれば良いと思います。どんな人でも楽しんでもうけて帰れるようにすることが一番でしょう。 {小幡喜一}(参加者 110名) |
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