地学団体研究会埼玉支部 
  HP版 「みんなの地学」 自然と人間 No.8

 秩父帯の石段
   ① 険しい地形を生かした石段

関根一昭,2025年2月12日  

 秩父盆地をはさんでおもに北西側と南東側には秩父帯といわれる地質帯が分布し、険しい山々が連なっています。城峯山、両神山、武甲山はそれらの代表的な山です。かつては秩父古生層といわれた秩父帯は、関東地方から中部地方、紀伊半島、四国、九州へと長さ1000㎞を超える細長い地質帯です。海洋で形成されたチャート、石灰岩、緑色岩などの岩石と大陸からもたらされた砂岩、泥岩などの岩石が混在しているもので付加体といわれます。放散虫化石の研究から中生代のジュラ紀(およそ1億6500万年前)に形成されたことがわかっています。
 下の地図は埼玉県の地質図の上に、県内で特筆すべき石段をもつ寺社などの位置を示したものです。埼玉県内の62か所の石段が掲載されています。詳細は関根一昭著『埼玉の石段60選』をご覧ください。
 その中で、秩父帯に属し比較的規模が大きく、かつ個性的な石段として、秩父市の秩父札所26番円融寺奥の院岩井堂(地図番号7番)と飯能市の秩父御嶽神社(地図番号45番)を紹介します。両者ともに、チャートや硬砂岩のように風化に強い岩石からなる険しい地形を利用して、急勾配でダイナミックな石段がみられます。

埼玉県の地質区分と寺社などの位置図(関根一昭作成/『埼玉の石段60選』より転載)

引用文献
  • 関根一昭(2024)埼玉の石段60選.544p,埼玉石段研究会,ISBN-13: 978-4600011819


No.7 に戻る  「みんなの地学」目次 に戻る  No.9 に進む

□□ (c) The Saitama Branch of the Assosiation for Geological Collaboration in Japan □□