コロナ禍により中断されていた日曜地学ハイクですが、11月15日より再開されました。実施に当たり、感染防止のため次の措置がとられました。
- 対象は「日曜地学の会」会員のみとし、はがきの連絡ののち事前に申し込みをしてもらう。
- 参加者はマスクを着用し、かつソーシャルディスタンスを守る。
- 家に帰ったらまず手や顔を洗ってもらう。
新型コロナウイルスを想定した「新しい生活様式」を取り入れた新しい地団研埼玉支部の取り組みが今回から行われました。
さて久し振りの地学ハイクです。参加者21名(うち案内・係が4名)の精鋭で、小春日和の中、紅葉の秩父路を楽しみました。コースは大野原駅から最初札所19番龍石寺の角礫質砂岩層の観察、秩父橋経由で対岸に渡り、萩平歌舞伎舞台を見学、荒川河川敷におり昼食と化石採取、その後、飯塚招木古墳群を見学し和銅黒谷駅に行ってまとめ・解散で、歩く距離が短めで立ち寄り地も少ないハイクでした。
しかし、秩父の生き字引と言われる小幡先生の案内です、中身は濃い。古秩父湾の堆積物・化石、荒川の河岸段丘の形成の解説はもとより、古墳時代の環境や、江戸時代の札所巡りの様子、札所巡りの標石や灯ろうの産地や造られた背景、秩父橋の歴史と、地学を超えた楽しい話が満載でした。また、今回の目玉は化石採集です。ちょうど萩平歌舞伎舞台前の荒川河川敷一面に奈倉層が広がっています。そしてその地層は、下流の対岸、サメの歯化石で有名な蓼沼の露頭方向に繋がっているのが見えます。いい化石がとれる予感がします。昼食を河原の陽だまりの中でのんびり済ませると、参加者各々が河原いっぱいに散らばり化石のありそうなところの露頭をハンマーで叩き始めました。
秩父の地学ハイクで珍しくハンマーを使いました。暫くするとあちこちで獲物が発見されました。ホタテ、キララガイ、ソデガイ、カニのはさみ、コシオリエビ、魚鱗、巣穴(生痕化石)…。皆さんお土産もできて楽しい一日を過ごすことができました。
{奥 雄一 小川高校}(参加者 21名)
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荒川河床に露出した岩盤で化石の観察 |
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飯塚招木古墳群 |
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