7月18日第440回地学ハイキングが都立富士高校を会場に行われました。案内は、東京支部の小川政之さんと埼玉支部の橋屋功さんです。当日は朝から暑い日でしたが始まる頃には21人が集まりました。地学室は冷房のよく利いた教室で、快適に室内ハイキングが行われました。
最初、小川さんより木下層の貝化石(13〜12万年前)の研究をはじめたいきさつの説明がありました。住居が産地に近かったこと、子どもの自由研究の「バカ貝の背比べ」を手伝ったこともそのひとつだということです。概要の説明の後、いよいよ実習です。なお、木下貝層は国指定天然記念物(2002年3月)になっており、指定地では採取はできません。今回使用した貝化石は、指定地以外で埼玉県立大井高校の駒井潔さんと生徒のみなさんが、この日のために真夏の炎天下、20箱(パン箱の大きさの箱)も採取してくれたものを使用させていただきました。実習では、箱から砂のついた化石を採取することから始まりました。化石のクリーングはブラシと竹串、水を入れたボールを使い行いました。絶滅した貝もあると聞き、大人も昼食を忘れるほど夢中です。
遅れた昼食をとった後、貝の特徴を調べ図鑑から貝化石に名前をつけました。図鑑を使った貝の名前調べということもあり、地団研から出版されている「貝化石図鑑」がたくさん買い(貝)求められました。ちなみに私が見つけてものは、サルボウ、ハスノハカシパンウニ、ハマグリ、バカガイでした。また、産地の近くの印西市中央公民館で販売されている「木下貝層(第三版)」も在庫切れだそうで、住んでいる地域の方々の感心の高さに感心しました。ひととおり名前つけが終わったのち、「バカ貝の生態」についてビデオの視聴がありました。お寿司の貝柱も青柳もバカ貝ということで意外に身近な貝です。危険を察したときに砂の中に潜るのも速いし、飛び跳ねることもでき運動能力も他の貝にはないほどです。なのにひどい名前です。バカみたいに海から捕れたからバカ貝だとか、足がべろんと出ていてバカみたいだからとか、いわれもおもしろそうです。まとめの後、解散となり暑い世界に戻りました。
{妻沼高校 久保田郁夫}(参加者21名)
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木下層の貝化石について説明 |
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化石のクリーニング |
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