5月10日「地質の日」に神奈川支部と埼玉支部の共催で日曜地学ハイキング「金沢市民の森での化石と草食動物の観察」が実施されました。案内は安野信さんと後藤仁敏さん(共に神奈川支部)です。雨続きでしたが、前日から天候に恵まれ、ちょっと暑いくらいの天候でした。前回のズーラシア(主に肉食動物を展示)に続き今回は、金沢動物園(主に草食動物を展示)で進化を学習します。どちらも丘陵を上手に利用してつくられています。これで、横浜市立の動物園の3園中2園を見学したことになります。昼食をはさんで化石採取もあり、もりだくさんです。
最初は動物園のアフリカ区を見学しました。漢方薬として重宝されるために乱獲されたヒガシクロサイ。「繁殖」に成功し、種の保存に役立っています。存在が動物園の新しい役割を広報しています。また、角が後方に伸びため、武器にならない角をもつアラビアオリックスなど、地ハイで見学すると新しい発見があります。
アフリカ区見学の後、化石採取です。化石採取地は、園外に一度出て、しばらく歩いたところにあります。雨が続いたため、足下はよくありません。露頭も高いところにあり、昼食をはさんで交代で採取しました。貝化石は、関東第四紀グループが調査中に発見しました。上総層群野島層最上部で約200万年前の泥と火山灰の混じった砂層に入っています。立派な化石を採取した方や、砂層のかけらを拾い集めて砂層に含まれる有孔中を見てみようという方もいて、誰もが化石を持ち帰ることができたと思います。
その後、動物園に戻り、オセアニア区、ユーラシア区、アメリカ区の順に見学しました。オセアニア区では、ユーカリの葉を食べるコアラを見学することができました。20時間寝るというだけあって起きてる状態を見るのは、珍しいそうです。アルビノのカンガルー(アルボジニの言葉で「我知らず」という意味)、脚を見ると、思わず恐竜連想してしまうヒクイドリなど見学しました。 アメリカ区では、へらの形をし、毎年冬に落角する角<アントレー>をもつアメリカヘラジカ。いわゆる角には、伸び続けるホーン(角質)とアントレー(骨)があることを知りました。ホーンなのに落下するアメリカプロングホーンもおもしろい。カモシカに似ているけど、ウシでもなく、シカでもないローランドアノア。「まるでヤギのよう?」という声に「ヤギもウシ科ですから」
ユーラシア区では、折れたインドゾウの牙を持たせていただき、重さを実感しました。朝見たサイと違う鎧を着たようなインドサイ。「人間は雄が雌化しているが、雌が雄化したため雌雄とも牙を持つ」の説明に笑いがおきたシロテナガザルなど、楽しく見学することができました。持ち物で特に書いてありませんでしたが、動物園見学には、双眼鏡が必需品です。
{妻沼高校 久保田郁夫}(参加46名)
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野島層の路頭で解説する安野会員 |
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化石のとれる崖でハンマーを振るう参加者 |
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