4月に引き続き、また平野の地ハイですが、県東部に住む方にとっては興味深い内容です。自分の住む地域の地盤はどうなっているのか。そんな問いかけに、この地域を研究されているお馴染みの堀口萬吉氏に案内をしていただきました。また、地下に眠る地形と植物が密接に関わっていることについて、地元で「浮野」とよばれる低湿地の研究されている橋本 庸氏に説明をしていただきました。
加須低地は古墳時代の利根川の流入以前は、大宮台地に続く台地地形をしていたといわれます。それが、2000年ほどの間に沈降し、関東ローム層を乗せた洪積台地が地下に埋没しました。この埋没した地形を検土杖や、竹でつくった自家製のドリルを突き刺して調べました。
現地に行って印象的だったのは、一見平坦に見える低地のなかにも、掘ってみるとローム層が出てくる所とそうでないところがあることです。地下が台地であったり、谷が埋没していたりするのです。浮野は地下に谷が埋没していますが、ボーリングしてみると場所によって、洪積層までの深さがちがいます。ここには寒冷地や高山の湿地に生えるトキソウなどの特殊な植物が見られますが、その原因は埋没地下谷の中にある湧水であると考えられています。湧水によって、水位・水温が一定に保たれ、特殊な植物が生息し続けているのです。
浮野の近くでは、あやめ祭が開かれており、田船に乗って用水路を移動しながら自然を楽しむ姿が見られました。(参加44名)
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「浮野」とよばれる低湿地を説明する橋本 庸氏 |
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埋没地下谷の解説をする堀口萬吉氏 |
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