今回は1泊2日で神奈川県の三浦半島突端の油壺から城ヶ島の地ハイで、海岸地形と三浦層群中の堆積構造などを観察しました。
品川駅から京浜急行で三崎口まで行き、さらに油壺までバスで行きました。マリンパーク周辺の海岸で、新第三系三浦層群中位の初声(はっせ)層を観察しました。初声層は軽石質で白っぽい地層で、向斜構造や大規模なクロスラミナが見られました。荒井浜の北では、黒っぽいスコリア質の三浦層を削り込んで堆積している様子も観察しました。一度バス停に戻り、東大地震研究所の前を通って、油壺の検潮場を見ました。
その後、リアス式海岸や海岸段丘の地形を見ながら、「諸磯の隆起海岸」といわれる穿孔貝の掘った巣穴の跡がたくさんある岩場を見ました。そして、尾上台西から海外町、歌舞島と歩き、いろいろな乱堆積構造を見ました。途中、白石町で見た「波調層」は漣痕ではなくコンボリュート葉理のようでした。マグロで有名な三崎港まで歩き、バスに乗って城ヶ島に渡りました。城ヶ島大橋の上から、通り矢の不整合(三崎層の上に段丘堆積物がのっている)が見えました。
宿舎は、城ヶ島ユースホステルでした。美味しい刺身と鍋の夕食となりました。昔はユースというと禁酒でしたが、案内のOさんがいつも持ち込んで呑んでいるせいか、ビールも用意されていました。
2日目は、城ヶ島を一周しました。最初は島の西端の城ヶ島灯台付近を観察しました。灯台の北側で三崎層のほぼ垂直に立った地層やスランプ褶曲を見て、長津呂の隆起海食台で共役断層、ピンク色の火山灰層のフレーム構造、生痕化石、向斜構造を観察しました。島の南側の海岸を東に進むと、海食道の凹みがあり、白っぽい初声層に変わりました。ここに逆断層があるそうです。馬の背の洞門は海食洞のトンネルで、周辺には油壺で見たのと同じようなクロスラミナが見られました。
ここから一度、坂を登って城ヶ島公園の中を進み、東端の安房崎に下りました。ここでも白っぽい初声層が見られ、スランプ褶曲が見られました。さらに「水っ垂」裂罅水、大きなキャベツのような、亀の子島の逆転したコンボリュート葉理を見ました。
ユースホステルに戻り、カレーライスを食べて、今回の地ハイは終了。バスと電車を乗り継いで、家に帰りました。
いろいろな堆積構造、とくに乱堆積構造について、いろいろ見られて楽しい地ハイでした。
(参加39名)
|
|
長津呂から馬の背の洞門に歩く |
|
「水っ垂」付近の遊歩道 |
このページの最初へ
|