天気予報では、当日雨が心配されていましたが、朝から晴れのいい天気となりました。参加者は案内者の小幡さんを含め総勢26名です。今回は、西武秩父駅発西武バス「中津川ゆき」のバス停「岡本」から、荒川に沿って遊歩道を神庭から大輪へ、さらに大達原の旧三峰街道をたどって三峰口駅まで距離約8km・高低差250m、観察ポイント15箇所のコースです。地ハイ連絡ハガキに記されていた通りの“健脚向きトレッキング地ハイ”でした。
まず、荒川にかかる神庭橋を渡り荒川右岸の道を神庭オートキャンプ場へと向かいます。道ぞいには、片理の発達した砂岩や千枚岩の露頭が見られました。大滝グランド前で一息ついて、急斜面の道を一気に登り神庭洞窟へと向かいました。埼玉県指定史跡となっているこの洞窟からは、縄文時代から近世までの遺物や動物の骨が発見されています。石灰岩・チャート・緑色岩のでき方、さらには海洋プレート層序のことまで、詳しい説明を聞くことができました。
さらに、荒川沿いの遊歩道を下りながら石灰岩が造る夫婦滝や竜門の滝を観察、再び、急斜面を登り三峰神社ロープウエイの跡地に立ち寄り、表参道を大輪へと下りました。以前は、三峰神社への参拝者の往来で賑わった所ですが、今はひっそりとしています。表参道にそって並ぶ苔むした石碑群や登竜橋からの風景を、落ち着いて楽しむことができました。
竈三柱神社の境内で昼食をとり、午後は、下大輪の集落に入り「見送り観音のお堂」脇の険しい山道を登り大達原へとたどりました。大達原付近は、崩積堆積物からなる比較的なだらかな斜面となっています。稲荷神社や旧名主山口家の前に復元された江戸時代の高札場や共同井戸などを見学したあと、旧三峰街道をたどって強石まで歩きました。その途中には、石灰岩を人の手で掘り抜いた隧道や馬頭尊の石碑が見られ、当時の様子を偲ぶことができました。
強石からは国道140号線にそって歩きます。強石の大滝発電所では、秩父地域の産業発展に関わった人々の逸話を、“七観音の石仏”では天明の大飢饉の話を、最後の白川橋では、この地を訪れたナウマンや幸田露伴の話をまじえ、秩父盆地の地形地質について説明をしていただきました。
解散予定時刻を50分程超過し、三峰口駅16:00の解散となってしまいましたが、この地域の豊かな自然と人々の暮らしや歴史を知ることのできた楽しい地ハイとなりました。
{地ハイ係 力田正一}(参加者 26名)
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神庭洞窟 |
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大達原の手掘り隧道西口 |
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