テーマ
- 茨城県南部竜ヶ崎地域の下総層群の層序,堆積環境およびテクトニクスの解明
発足の経緯
|
埼玉で地団研総会が行われた1982年,埼玉の第四紀関係者で話し合いが行われた.ほんとうは,地元をくわしく調べたかったが,埼玉には露頭らしい露頭がないので,大宮台地によく似ていると考えられた茨城県稲敷台地南部竜ヶ崎地域が選ばれた. |
活動期間
1883年〜2003年
団研メンバー(支部会員)
埼玉大学教養部地学教室で卒論を行った教師を中心に11名。
成果 発表論文
- 竜ヶ崎団体研究グループ(1994)稲敷台地南部の下総層群−上岩橋層と木下層の堆積相,層序,古環境(その1)−.地球科学,48:535-551.
- 菅沼一美・大森昌衛・平社定夫・竜ヶ崎団体研究グループ(1994)茨城県江戸崎町時崎の上岩橋層中の化石棲管Rosseliaについて.化石研究会誌,26,61-68.
- 竜ヶ崎団体研究グループ(1998)稲敷台地南部の下総層群−後期更新世以降の地殻変動(その2)−.地球科学,52:378-390.
- 竜ヶ崎団体研究グループ(2004)稲敷台地南部の下総層群−上岩橋層の層序と堆積環境の変遷(その3)−.地球科学,58:25-36.
特色
- ・ 露頭観察と堆積相解析
- 私たちの調査は露頭でできるだけ詳細な観察を行い,同時に,露頭の標高をくわしく調べておいた.このような露頭の情報から堆積相解析を行い,堆積当時の環境や海進・海退がよみとっていった.こうすると層序が判明し,堆積環境の変遷が明らかになった.
- ・ 堆積相とテクトニクス
- 調査地域は,地形的にいくつかの特徴があり,地形形成の背景に地殻変動があることが予想された.また,堆積物もその地形の特徴を反映した分布となっていた.そこで,堆積相解析から堆積環境を知り,地殻変動と堆積環境の関係を把握した.とりわけ,竜ヶ崎砂層の形成(蛇行河川堆積物)を地殻変動との関係で明瞭化した.
- ・ 堆積相と貝および有孔虫化石分析
- 従来あまり行われていない堆積相解析と貝・有孔虫化石分析を統一させた。とくに上岩橋化石帯内の不連続面とその意味を化石および堆積相両面から明瞭化した.
- ・ 団研の終わりにあたり,以上のように成果の特色を整理してみた.
- 本音を言わせてもらうと,団研をはじめた頃は,論文を3つも書くほどの力量はとてもなかった.また,3つも書けるほどのテーマも把握されていなかった.お互いに刺激しあいながら,励まし合いながら力をつけてきたのだと思う.
(文責:平社定夫)
|